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まだ間に合う!「アンデパンダン・スカラシップ展 vol.3」!

FEBRUARY 13, 2013 9:57 PM / CATEGORY:日記

メインギャラリーで開催中の「アンデパンダン・スカラシップ展 vol.3」は若手アーティスト9名のグループ展。
昨年秋に開催された千代田芸術祭の展示部門から選出されたアーティストたちです。

芸大に通う学生から独学で絵を学んだ作家まで、今回も個性的なアーティストが揃ったスカラシップ展。
卒制シーズンとも重なり「新しいアーティストに出会いたい!」と多くの方にご来場いただいています。


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写真左:Sari Doi(サリドイ)「2040: Date Me at MARS」
写真右:相良祐介(さがらゆうすけ)「paving」


エントランスで迎えてくれるのは、2040年の火星に降り立った6人のクルー。
一番手前にいるのがSari Doiさん本人!
iPadをのぞくと、火星からのつぶやきがTwitterで流れ、「わたしはなんのためにここまで来てるんだろう」「宇宙で創発は起きるのか?」など27年後の宇宙からさまざまな問いを投げかけてきます。

相良祐介さんの絵画は、「paving」(=「舗装」)というタイトル通り、
キャンバスが、大地を塗固めるように絵の具で"舗装"されているように見えます。
東京で生まれ、東京で育った相良さんは、海や山と同じようにこのアスファルトの風景が落ち着くのだそう。


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写真左:島本了多(しまもとりょうた)「体の器」
写真右:宮本和之(みやもとかずゆき)「ミイダス」


頭!? 手!? 一瞬驚いてしまうカタチの島本さんの作品は、本人の身体を型取ってつくった器。
磁器でできているため、実際に料理や飲み物を入れる器として使ってもOKなのだそう。
何万年も前の土器が発掘されるように、遠い未来に"今"を残したい。
陶磁器の素材としての強さにも惹かれ、制作しています。

隣のスペースには、200個以上の"何か"の破片が。
「今回の展示のために、何かつくらなきゃいけないけど、つくりたくないと思ってそのフラストレーションを表そうと思った」という宮本さん。その思い(?)を存分に表現するべく、実際に壁をつくり、その壁を「壊すことによってつくられた」のが今回の作品です。


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写真左:micarinco(ミカリンコ)「Threshold【敷居/閾】 フォトモンタージュ」ほか
写真右:駒場拓也(こまばたくや)「希望の光」


千代田芸術祭では髪の毛だけのコラージュ作品を出品していたmicarincoさん。今回は、身体や洋服などのコラージュも加わりました。
あわせて展示している「フォトモンタージュ」というシリーズは、時の断片を切り取り、さまざまな風景を記憶のように重ねた写真作品です。

駒場さんは千代田芸術祭のときよりも、さらにスケールの大きい絵画を含む4点を展示。
森のなかで寝転んだときに着想を得たという絵画は
色が何層にも重なり、光と闇を表現しています。


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写真左:竹浪音羽(たけなみおとは)「あさってと散歩」「明日ちゃん」ほか6点
写真右:中村将志(なかむらまさし)「1912-2012 vol.1」「おたっしゅ!!」「寝るる」


かわいいような、こわいような......。
竹浪さんのドローイングには、不思議な女の子が美しい色彩で描かれています。
彼女たちが何をしているのか、何を考えているのか、
さまざまな物語を想像してみてください。

暗室に入ると、シンクロした2つの映像。
左の映像では、昔のニュース映像や流行りのアニメなどyoutubeで再生回数の多かった動画が流れ、
右の映像では、そこに出て来る人物の動作を中村さん本人が真似をしています。
巷にあふれるメディアとのコミュニケーションを図った作品です。


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写真左:渡部剛(わたべごう)「Bear Garden」「吸殻花」
写真右:「夢の島、あるいは未完の廃墟-pt.III」


コラージュにより、凝縮された都市の姿を描いた作品やさまざまな雑誌から、女性誌特有のコピーや言葉を大量に切り抜き、デジタル音声とともにヒラヒラと風になびかせた作品。足元には、北海道土産として知られる木彫りの熊が、彫り跡を強調するように着色され全く別の姿に。
渡部さんの作品を見ると、いつもの景色が少し違って見えるかもしれません。


展覧会は今週日曜まで!入場料は無料です。
ここでしか見られない、気鋭アーティストの熱のこもった作品群をぜひ一度ご覧ください。

ポコラート全国公募展vol.3:終了レポート 〜ワークショップ編 その2〜

FEBRUARY 11, 2013 12:17 PM / CATEGORY:ポコラート, レポート, 日記

ポコラート全国公募展vol.3で行なったワークショップレポートその2は1月5日(日)実施の、リュウ2(小柏龍太郎さん+前島芳隆さん)企画による『トバシ』と、1月13日(日)実施の、こまちだたまおさんの企画による『花を咲かせましょう』です。

まずは「トバシ」から!「トバシアトリエ」と名付けられた立方体の部屋の中で、即興演奏にのりながら、キャンバスや壁に向かって絵の具を飛ばして描きます。


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リュウ2の小柏龍太郎さんと前島芳隆さんの迫力の即興演奏!

『トバシ』の命名者でもある小柏さんのペインティングは、目にもとまらぬほどの速さ。
ときには絵の具が入ったコップから、直接絵の具を飛ばしかけます。
「描く」のではなく、絵の具を「飛ばす」なのだと、『トバシ』の由来にも納得。


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アトリエの中で描いたり、即興演奏に加わったり。

エレクトリックバイオリンやアジアの楽器など、混沌としていて、かつ力強い即興演奏の中でもくもくと描きます。


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絵の具をたくさん作っておいても、すぐになくなります。
絵も、手も、顔も、体も、全身絵の具だらけ!


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パワーみなぎる作品が完成。まるで、部屋全体が別世界になったかのようでした。

キャンバスがどんどん色でうまっていく中、鳴り続けていた即興演奏の終わりとともに終了。見学者の方々からは自然と拍手がわき起こりました。
1時間以上にわたる演奏とライブペインティングでしたが、参加者のみなさんによると「あっという間だった」そう。


続いては、こまちだたまおさんの企画による『花を咲かせましょう』。


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花びらをまく、こまちださん。子どもたちは大はしゃぎ。

ハサミで切った花びらは形もいろいろなら、舞い落ち方もいろいろで、つい見とれてしまいます。
舞い落ちる花びらをキャッチしたり、落ちた花びらをかき集めて、また空中にまいたり・・・。
思い思いに遊んだ後は、紙の上に花びらを貼って、花を咲かせます!


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まいた花びらの中から、使いたいものを探す子どもたち。


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どんどん貼っていく人がいれば、じっくり選んで貼る人も。


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完成!

きらきらする花びらを集めたり、ハートの形にこだわったり、花びらを重ねて人の顔やクジャクの羽のようにしてみたり・・・。色合いや形、貼り方もさまざまで、最後は1人1人の花畑が紙の上に広がりました。
花びらに誘われて体が動き出し、気がつくと楽しい気分になっている、そんな時間でした!


今回行なった4つのワークショップに参加した方の年齢は0歳から50代まで。
公募によるワークショップというポコラートでは初の試みによって、また新たなかたちで、障がいや年齢の枠なく、様々な人が集う場を生み出すことができたように感じています。
参加者のみなさんからは「誰でも参加できるのが良かった。また子どもと一緒にできるワークショップをしてほしい」「定期的にやってほしい」等の感想をいただきました!
これからも、いろいろな人が関わることで生まれる創造的な場を、たくさん創出していきたいと思います。

ポコラート全国公募展vol.3:終了レポート 〜ワークショップ編 その1〜

FEBRUARY 4, 2013 11:39 AM / CATEGORY:ポコラート, レポート, 日記

先日、ポコラート全国公募展vol.3が無事終了いたしました。
多くの方に足をお運びいただき、本当にありがとうございました。

さて、今年のポコラート全国公募展では、これまでの作品応募に加え、ワークショップ企画の募集を行ないました。
大月ヒロ子さんと藤浩志さんを審査員にむかえ、応募企画の中から選出された4つのワークショップを展覧会期中に実施!
今回のレポートでは、会期前半に行なった2つのワークショップの模様をご報告します。

1つ目は、2012年12月23日(日)実施の、ゆにここ(鈴木さとみさん+鈴木淳也さん)企画による『新しい自分に出合う! ブラインド アート ワークショップ』です。


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企画者のゆにここのお2人。鈴木さとみさんと鈴木淳也さん、ご夫婦のアートユニットです。


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内容は、視覚に頼らずに作品制作を試みるというもの。まず紙ねんどを材料に、アイマスクをつけた状態で制作を体験し、その後30分程をかけて本格的な作品制作を行ないました。参加者同士が2人1組になり、1人がアイマスクをつけて制作、もう1人がサポートします。


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制作する人(アイマスクをつけた人)の希望に合わせて、素材を探したり、色などの情報を伝えたり。


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完成した作品と、参加者のみなさん。

制作後は、まずアイマスクをつけたままで鑑賞。
アイマスクをとったときには、自分のイメージとは違った方がほとんどだったようですが、「さわって鑑賞するとすごくおもしろい作品があった」、「視覚と触覚の中間にあるような作品ができた」など、様々な感想が出ていました。
視覚を制限することで、触覚を始めとした感覚が普段よりも意識されるとともに、相手に伝わりやすい表現を試行錯誤しながら、自然とコミュニケーションが活発になるワークショップでした。


2つ目は、2012年12月24日(月休)実施の、穂積一樹さん企画による『LIFE×LIVE』。列車の運行管理に用いられる線図「ダイヤグラム」を活用したワークショップです。


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穂積さんは鉄道員のコスチュームで登場!

穂積さんは、実際の電車の時刻表をもとに24時間分のダイヤグラムを制作するほどの鉄道愛好者。
ダイヤグラムをもっと身近に感じてもらうきっかけにしたい、と企画したそうです。


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参加者は、自宅から会場の3331までの道のりを思い出しながら、経路とそれにともなう時間経過を記入します。
縦軸が場所、横軸は時間です。

行きの道のりができたら、3331からの帰り道のダイヤグラムも作成。途中でスーパーに寄って買い物をする等の予定も盛り込みながら作成します。


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過去(行き)と未来(帰り)のダイヤグラムができました。
参加者のみなさんが制作したダイヤグラムについてコメントする穂積さん。

場所を表す縦軸の幅は、実際の距離に関係なく作者が自由に決められるので、同じ経路を表していても、人によって異なって見えるのがダイヤグラムのおもしろいところ!
場合によっては、自動販売機を一つの通過場所として記入しても良いですし・・・、と穂積さん。ダイヤグラムの試みはまだまだ広がりそうです。
日常生活を様々な方法で表してみることで、普段は通り過ぎていたり、気付かなかったような新たな側面が見えてくることが発見できました。


終了レポート 〜ワークショップ編 その2〜 では、会期後半に実施した2つのワークショップ『トバシ』『花を咲かせましょう』をご報告します!

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