3331 STAFF BLOG > 【AFT講義レポート】『20、40、60、この数字って何 !?「無印良品」マーケティング方程式』講師:奥谷孝司(株式会社良品計画・web事業部 部長)

【AFT講義レポート】『20、40、60、この数字って何 !?「無印良品」マーケティング方程式』講師:奥谷孝司(株式会社良品計画・web事業部 部長)

MARCH 3, 2015 3:08 PM / CATEGORY:AFT講義レポート

2月中旬、雨という天候にも関わらず 3331 Arts Chiyodaで行われた
「無印良品」レクチャーでは、多くのお客様にお越しいただきました!


日常的に人が立ち寄り、モノを買うという当たり前の仕掛けをどのように組み立て、
どのように展開しているのか、良品計画のweb事業部 部長の奥谷孝司さんを講師にお招きし、
ARTS FIELD TOKYOでは初となる『デジタルマーケティング』についての
講義となりました!

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▲3331 Arts Chiyoda 1Fコミュニティスペースで行われた『ARTS FIELD TOKYO』


" 顧客時間 " を考える


web事業部に入られたとき、奥谷さんは、商品が「何に・どのように」使われているかを
自分たちが知らないのは今の時代では許されないと感じ、自分自身このプロセス全部を
見ていく必要があると思われたそうです。
web事業部でwebの仕組み(特にネットの仕組み)を理解することで、
ますます「顧客時間の重要性を感じた」と話されます。

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▲無印良品のデジタルマーケティングについてレクチャーをする奥谷さん


・ソーシャルメディアで繋がる
・お買い物する
・MUJI passportで繋がる

これら全てが無印良品の既存のお客様。ここでの関係を築けたお客様とネットで繋がり、
その後いかにお客様の時間の中でコミュニケーションしてもらえるか、ということが
ネットや店舗関係なく重要になってきているデジタル社会を根底に、奥谷さんは話されました。


いかに「デジタルな刺激を受けて、リアルに足を運ぶ」か。
私たちは、"お客様に時間を使ってもらえる存在 " になっていかなければならない。


「誰が」「何を」買ったかが分かるようにった、オムニチャネル時代。
無印良品では、商品について「どうでしたか?」と質問を投げかけると、約10万人の人が
そのアンケートに応えてくれるそうですが、そもそも、その関係性が何によって築けたのか?
と探ってみると、それは「ソーシャルメディア」とのコトでした。
さらに振り返ると、ソーシャルメディアが普及する以前から存在していた「くらしの良品研究所」での
お客様との繋がりが、無印良品マーケティングの機軸として土台がありました。
この機軸があることで、コミュニケーションの形がデジタルに変わっても、お客様との繋がりを
今も尚、築きつづけているのだと思います。

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テンポよくお話しされる奥谷さんのレクチャーに
みなさん聞き入りながらも、真剣にメモをとる姿がありました。


理想のマーケティングを考え、お客様の視点に立ち返る


「大勢のお客様が1回ずつご購入されるよりも、既存のお客様に何度も求められる形が
とても理想的なことだと思います。そのようなマーケティングを目指していきたい」
と話される奥谷さん。「誰が」軸を持てば、さらにその人たちとコミュニケーションができます。
そういうデジタルマーケティングがしたいと思ってつくられたのが『MUJI passport』でした。

『MUJI passport』を導入した理由は、社内で「ネットとリアルの融合」を
求められたことが切っ掛けとなったそうです。さらに奥谷さんは話されます。

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▲自身が経験して感じられたコトをもとに、話を展開していく奥谷さん


お客様の行動アルゴリズムに応じてのコミュニケーションタイムを大切にしています。
ただ、店舗での充実感も大事にしています。むしろ売り場はずっとアナログで良いと思っていて。
ITによって色々サポートをするわけですけど、店舗には店舗の新たな発見がありますから。
ネットをやってみて思うのは、お店での買い物は絶対に無くならないと感じます。
伝わり方はデジタルだけど、それを作っているのは「人」ですから、
伝わるものはアナログ的な思考なのだと思います。だからコミュニケーションでは、
どちらも共存することが良いと感じています。


***


前半では、奥谷さんが実際に感じてこられた思いや具体例をもとに
「現在」の無印良品マーケティングの仕組みや取り組みについて語られ、
あっという間に70分が経過...!


その後行われた質疑応答では、受講生のみなさんがそれぞれ抱いていた、疑問やクリアできない
モヤモヤなどを奥谷さんに投げかけ、それに対して奥谷さんも、丁寧に応答されていました。
レクチャー終了後も、奥谷さんと受講生のみなさんが直接お話しされたりなど、
なごやかな雰囲気が流れていました。みなさま、おつかれさまでした!
お越しいただき、どうもありがとうございました!


...そして!


「質疑アンケート(申込み時)」に質問をいただいた内容についても
奥谷さんよりお応えいただきましたので、ぜひご覧ください!
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【質疑アンケート】

1. 奥谷さんにとって、マーケティングとは一言で何でしょう。
必要悪ですね。マーケティングの定義としてドラッカーは「Selling(売ること)を不要にする」
なんて定義を昔出したことがありましたけど、私は矛盾しているように思います。
理想はなにもしなくても売れることですよね。でもそうはいかない。
だからマーケティングする。
でも必要悪だからといっていってもそこに如何に共創のコミュニケーションを作るか?
B(Business=企業) to C(Customer=お客様)の一方的なコミュニケーション、
マーケティングではなく、B with C なコミュニケーションしていくことが
マーケティングだと思います。企業のやっている正しい活動を正しく伝える。
そして、それがお客様に共感をもって受け入れられ、拡散する。
それがマーケティングの理想ですね。


2. たくさんあるプロジェクトを取りまわす為には、マネージャーの育成が必要かと思いますが、
 どのように育成し、日々の仕事や方向性の確認のしあいをなさってますでしょうか。

人材育成は課題ですね。私もそんなに人材育成ができている感じはありません。
私のマネジメントスタイルとして、毎朝9時から10時を使って日々参加する会議、
商談で得たアイデアをシェアするManager MTG(課長さん参加)をやってます。
それ以外の時間はなるべく部下を呼んで会議やMTGがしないようにしています。
いかにフレッシュにバイアスなく情報を渡すか?
そしてそれを自主的に考えてもらい実行してもらうか?
ちゃんと私が責任を取ってあげているか? それくらいしかできていないのが現状ですね。


3. 自宅はどれくらいの比率で無印商品を置いているのでしょうか。
結構ありますよ。ベッド、ソファー、ベッドカバー、布団、ダイニングテーブル、テレビ台、
洋服、靴下はすべて(MUJIの直角靴下)PP収納用品等など、30-40%くらいはMUJIかと思います。

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奥谷さん、どうもありがとうございました!


次回の「ビジネス」に関するレクチャーは、3月25日(水)!
Soup Stock Tokyoの株式会社スマイルズ ! !「やりたいことをやるというビジネスモデル 」

『Soup Stock Tokyo』『PASS THE BATON』を運営する
株式会社スマイルズ代表・遠山正道が講師です!
マーケティングにも、ITにも、資本主義にもたよらない、" やりたいこと " を主語にした
ビジネスモデルのあり方をレクチャーしていただきます。お楽しみに!


▼お申し込みはコチラ
http://peatix.com/event/74946

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