AIR 3331 〜3331 ART FAIR 2020参加アーティストレポート〜

MAY 27, 2020 4:19 PM / CATEGORY:AIR3331

毎年 アーツ千代田 3331で行われる3331 ART FAIR は国内外からアートマーケットやアートコミュニティが集まって開催しており、3331の地下から屋上までを使用した全館を挙げてのアートフェアになっています。
今年の3331 ART FAIR 2020 は世界の社会情勢を配慮し、参加者全員の安全を最優先に、規模を縮小しての開催となりました。

3331 ART FAIR 2020では、AIR 3331滞在作家による展示が3331館内の二つの会場で行われました。館内地下にあるスタジオ&ギャラリー イン 3331 (B108)では 
チェン・チン・リュー(スーザン)さんによる『春歩く』が開催されました。

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台湾出身のスーザンさんの柔らかな布で作られた立体作品は、銀座を歩く着物姿の女性の羽織や道行が揺れる姿からインスピレーションを得て、それらの持つ美しさや質感を、日本、中国、西洋それぞれの美意識を取り入れながら表現しています。AIR 3331滞在中、スーザンさんは毎日スタジオに通い、5つの立体作品を完成させました。壁にかけられた作品は、布の柔らかさが生み出す曲線や影のレイヤーも重要な要素として展示されていました。
"AIR 3331 プロジェクトスペース"では、岩本町レジデンス で制作活動を行う作家とプロジェクトの紹介の場として実験的な展示会が行われました。岩本町レジデンスは秋葉原駅近く、アーツ千代田 3331から徒歩20分にあるAIR 3331の施設です。今回は3331館内3階にある313を会場にし、スイス出身のオーレリー・クリセティグさんとスペインに活動拠点を置くポーラ・メンチェンさん二人の作家による作品の展示になりました。
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オーレリーさんは彼女が撮影した47枚のポラロイド写真に刺繍を施し、それをアクリル板に挟んで、天井から吊るすことで、写真が空間に浮かんでいるように展示しました。写真の表面には東京の街並みと電線が写っており、電線に沿って黄色い刺繍糸が施されていてます。写真裏側をみると、黄色い刺繍はポラロイド写真裏側の黒い部分にも現れており、黄色が浮き上がって見える様子をオーレリーさんは「想像上の星座の地図」と表現しています。
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会場の壁面にはポーラさんのドローイングやコラージュが展示されました。和紙の持つ質感に興味を持ち、自らも和紙を漉いて作品を制作するポーラさん。展示作品の中には日本の伝統文様からインスピレーションを受けて制作したものもあり、日本人にはどこか馴染みのあるデザインが透明感のある鮮やかな色彩の中に表現されていました。
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3331 ART FAIR 2020は規模を縮小しての開催となりましたが、多くの方にご来場をいただき、各展示とも参加者全員の安全を最優先に配慮しながら終了することができました。フェア終了後、岩本町で予定していたオーレリーさんとポーラさんのオープンスタジオは、安全上の問題からやむをえず実施を断念することとなりましたが、アートフェア開催中に足を運んでいただいた来場者の皆様、地域の皆様のご協力に感謝を申しあげます。

スーザンさん、オーレリーさん、ポーラさんは、それぞれ無事に帰国され創作活動を継続しています。
近況報告からは精力的に制作に取り組んでいる様子が伺えます。

チェン・チン・リュー (スーザン) の最新のソフトスカルプチャー
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オーレリー・クリセティグ 《This belongs to everyone, so enjoy the view》
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ポーラさんの活動がクリエイターのための情報サイト「Curator Space」に紹介されました。
https://www.curatorspace.com/about/news/paula-menchen-natural-layers--raw-materials/90
ポーラ・メンチェン
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みなさんの今後ますますの活躍を3331 スタッフ一同応援しています。

AIR 3331 オープンコール 新規参加者募集中!
応募対象期間:2020年9月21日(月) 〜 2020年2月28日(月)
応募締切:2020年8月21日(金)※応募期間締切日を延長しました!
詳細はこちら:https://bit.ly/3a4d1AM

AIR 3331参加アーティスト紹介〜ヤンウー・キムさん密着!〜

APRIL 2, 2020 5:23 PM / CATEGORY:AIR3331

AIR 3331では現在、2020年9月からのAIR 3331 オープンコール レジデンスプログラムの参加者を募集しています。応募期間:2020年8月21日(金)

秋葉原駅近く、東京の中心に位置するAIR 3331は、文化やアート、さらには地域の人々とのふれあいを通して、作品制作やプロジェクトの可能性を広げることのできる場です!
今回は、2019年7月30日から9月23日の期間、AIR 3331のプログラムに参加した韓国人アーティスト、ヤンウー・キムさんの活動をご紹介します!

キムさんは8週間AIR 3331岩本町スタジオを拠点にし、リサーチ、作品制作、成果発表として展示会を開催しました。IMG_5673.JPG彼女は大都市における通勤距離と時間について彼女独自の視点で考察し、そこから作品を制作しています。過去にはソウル(韓国)、ジョホールバルー(マレーシアからシンガポール間の通勤)で、人が長い時間をかけて毎日通勤する様子を撮影してきましたが、今回のAIR 3331でのプロジェクトでは世界屈指の大都市である東京に通勤する人々に着目し、彼らの通勤する姿の撮影に挑みました。
キムさんは、郊外から東京に毎日通勤をする人の中から撮影に協力いただける方を募り、二人にボランティアとしてご協力いただきました。
撮影された映像はキムさんのAIR 3331成果展である『AIR 3331 ヤンウー・キム個展"Commuting lives:通勤暮らし"』で発表されました。
DSC_0012.JPG成果展はAIR 3331 岩本町スタジオ1Fで行われました。
岩本町スタジオは普段、アーティストの制作スタジオとして使用されています。キムさんの展示期間の3日間は彼女の作品の世界観を訪れた方々がより楽しめるよう、他の滞在アーティストと交渉しながら、展示会の空間作りをしました。IMG_8782.JPG
DSC_0035.JPG暗幕で覆われた会場には東京で撮影した映像の他、過去に撮影したソウル、ジョホールバルーでの映像も展示しました。これら3つの映像の配置を日替わりで変える事で、各都市の個性を、差異のないように表現しようという狙いが感じられました。DSC_0024.JPG また、このプロジェクトはボランティアお二人の通勤の様子を撮影するだけでなく、そこから派生した立体作品も生まれました。それはキムさんのアイデアを表現する上で重要な要素となっています。通勤する人の動きを地図上で表して、そこに現れたビジュアルを使って作られたボールペンは観る人の興味を引くとともに、プロジェクトのコンセプトを示すプロダクト作品としても興味深いものとなりました。DSC_0017.JPG IMG_9481.JPG キムさんは、文化、教育、仕事が集まる都市に多くの人々が集まり、各々が住む場所に帰って行く様子を可視化し、そこから生まれるものを考察しながら作品を制作していました。DSC_0049.JPG展示会のオープニングレセプションでは多くの方の来場があり、キムさんの東京での成果を熱心に鑑賞している様子が印象的でした。
DSC_0007.JPGAIR 3331では、今回の成果からさらに発展を続けるキムさんのプロジェクトをこれからも応援していきたいと思っています。

AIR 3331 オープンコール 新規参加者募集中!
応募対象期間:2020年9月21日(月) 〜 2020年2月28日(月)
応募締切:2020年8月21日(金)※応募期間締切日を延長しました!
詳細はこちら:https://bit.ly/3a4d1AM
AIR 3331スタッフ

海外アーティストが3331 ART FAIR 2019に新しくもたらしたもの

JULY 3, 2019 4:58 PM / CATEGORY:AIR3331

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毎年アーツ千代田 3331で行われる3331 ART FAIR は国内外からアートマーケットやアートコミュニティが集まって開催しており、3331の館内地下から屋上までを使用し3331の総力を挙げたアートフェアになっています。
今年開催された3331 ART FAIR 2019は今までよりもさらに国際的な規模での開催になりました。
AIR 3331の滞在作家でもあったエラ・バティ(2019年滞在)、チュン・シュン・ラン(2018年滞在)、3331からの推薦作家として台湾出身の写真家安木(AINWOODS)、共にカナダ出身のユニス・ルックパトリック・クルーズとのコラボレーションは3331 ART FAIRの国際的な存在感を高める重要な要素となりました。

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オーストリア出身のエラ・バティは現在オランダを拠点として活動しています。3331 ART FAIRでは過去の作品とともにAIR 3331滞在中(2019.01.24〜2019.03.20)に館内の外神田スタジオにて完成させた作品を展示しました。マルチメディアアーティストとして活動する彼女の映像作品は自らが描いた抽象的なスケッチ、詩や人工植物を映像のセットとして用い、象徴的で非現実的な世界を表現しています。

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毎年のアートフェアの目玉の一つである1階のメインギャラリーでは国内外からのキュレーターや3331スタッフ達が選んだ推薦作品が見られます。
今回このメインギャラリーではAIR 3331の滞在作家であり、台湾出身の作家チュン・シュン・ラン(2018.01.05〜2018.03.29滞在) の作品も展示されました。
ランは彼の作品コレクションの中から"Lockdown Universe"シリーズ内の2枚の写真を展示しました。これら一連の作品は彼の忘れられない子供の頃の記憶からくる彼の世界観を表しています。

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3331から推薦作家である台湾の写真家安木はUNKNOWN ASIA 2018 にて作家デビュー後、今回のアートフェア参加となりました。彼の写真の中でダンスをする色鮮やかな女性は境界の無い愛を表現しています。

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カナダのバンクーバーに拠点を置くキュレーター、原 万希子からの推薦作家であるユニス・ルックとパトリック・クルーズの作品もメインギャラリーで展示されました。ユニスは滋賀県信楽にある滋賀県立陶芸の森アーティスト・イン・レジデンスに滞在しながらも東京にも拠点を作り活動をしました。アートフェアでは彼女がレジデンス滞在中に信楽の自然と独特で伝統的なやきものから着想を得て制作した立体作品を展示しました。
一方で広いスペースをダイナミックに使い、荒々しいタッチの作品が特徴のパトリックは今回のアートフェアの為に彼の多くの作品から"子供が創ったものを模倣した作品"を中心に選び、会場に合わせた規模の展示になりました。彼の普段の作品よりも小さい規模の展示でしたが、作品が持つ熱量が失われる事なく、パトリックの作品を東京で触れられる初めての機会となりました。

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アートフェア期間中、ロンドンで活躍中の画家近藤正勝、チュン・シュン・ラン、ユニス・ルック、パトリック・クルーズ、安木によるアーティストトークが開催されました。
アーティストトークでは海外でアーティストとして生活する方法をテーマに作家達のリアルな海外での体験が語られました。
3331アートフェア期間中に初めて開催された海外作家によるアーティストトークはたくさんの方々に興味を持っていただき、盛況のうちに終了しました。

3331 ART FAIR 2019は様々な要素を持ち合わせたアート作品の展示販売だけでなく、国籍やジャンルを超えてアーティスト、コレクター、キュレーター、オーディエンスの間でのつながりの場となりました。

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AIR 3331 オープンコール 新規参加者募集中!
応募対象期間:2019年9月2日(月)〜 2020年5月31日(日)
応募期間:2019年5月3日(金) 〜 2019年8月5日(月)
詳細はこちら:http://bit.ly/2Z9QGfS

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