AIR 3331参加アーティスト紹介〜アレクサンドラ・ヤニークさん密着!〜

JANUARY 26, 2021 1:45 PM / CATEGORY:AIR3331

秋葉原駅近く、東京の中心に位置する AIR 3331は、国内外のアーティストが文化やアート、さらには地域の人々とのふれあいを通して、作品制作やプロジェクトの可能性を広げることのできる場です!
今回は、2020年12月、AIR 3331のプログラムに参加したポーランド出身のアレクサンドラ・ヤニークさんの活動をご紹介します。

アレクサンドラさんの今回の滞在目的は、2019年から行っているプロジェクト「Project Orbis Interior/Orbis Exterior」として、日本の 「引きこもり」を起点に社会的な孤立と断然の問題を探り、作品のコンセプトを発展させることにありました。しかし、ロックダウンや隔離などによって、世界中の人々が外出を控え、自宅に篭っている状態が継続する中で、彼女のプロジェクトの視点は大きく変化しました。アレクサンドラさんは今回の東京での滞在で、人との距離感やコミュニケーションの方法が変わってしまった私たちの状況を、彼女独自の視点で考察し、作品を制作しました。
東京滞在中に撮影された写真や映像はプログラムの成果発表として3331 Arts Chiyoda館内にあるStudio & gallery IN 3331に展示されました。2012-01-01 00.00.20.jpg スクリーンショット 2021-01-26 12.46.53.jpg
写真に写された民家の窓からは室内の明かりが外に漏れており、人々の生活の様子が伺えます。しかし、不透明なすりガラスによって曖昧にされた家の中と、それを窺い知ることが出来ない彼女との間には大きな隔たりがあり、関係性の断然と孤独感が表れています。2012-01-01 00.00.28.jpg
また、アレクサンドラさんは室内での撮影も行っています。室内で過ごす時間が長くなる事により、今までは家の外に向けられていた意識が家の中にも向けられ、新たな視点の発見につながりました。2012-01-01 00.01.25.jpg 2012-01-01 00.03.05.jpg
アレクサンドラさんにとってAIR 3331レジデンスプログラム参加は今回で2回目となりますが、前回の滞在と比べて出歩く人が少なく、静かな東京の様子に驚いていました。しかし、どんな状況下でもアレクサンドラさんの表現に対する前向きな姿勢は、今回制作、発表された作品に成果となって表れていました。
展示会当日は、会場に人数制限を設けながらも、来場者が途切れることなく訪れ、アレクサンドラさんが一人一人丁寧に作品について語る姿が印象的でした。
2012-01-01 00.00.05.jpg写真のプリントは千代田内の印刷会社「有限会社シーエイチディープロダクツ」さんに依頼し、作家からの細かい要求に対し、丁寧で迅速な対応をしていただきました。

ポーランドに無事に帰国されたアレクサンドラさんですが、彼女の今後の発展と活躍を 3331スタッフ一同心より願っております。2012-01-01 00.01.04-1.jpg

AIR 3331 オープンコール 新規参加者募集中!
応募対象期間:2022年2月28日(月)まで
詳細はこちら:https://bit.ly/3a4d1AM

AIR 3331 〜3331 ART FAIR 2020参加アーティストレポート〜

MAY 27, 2020 4:19 PM / CATEGORY:AIR3331

毎年 アーツ千代田 3331で行われる3331 ART FAIR は国内外からアートマーケットやアートコミュニティが集まって開催しており、3331の地下から屋上までを使用した全館を挙げてのアートフェアになっています。
今年の3331 ART FAIR 2020 は世界の社会情勢を配慮し、参加者全員の安全を最優先に、規模を縮小しての開催となりました。

3331 ART FAIR 2020では、AIR 3331滞在作家による展示が3331館内の二つの会場で行われました。館内地下にあるスタジオ&ギャラリー イン 3331 (B108)では 
チェン・チン・リュー(スーザン)さんによる『春歩く』が開催されました。

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台湾出身のスーザンさんの柔らかな布で作られた立体作品は、銀座を歩く着物姿の女性の羽織や道行が揺れる姿からインスピレーションを得て、それらの持つ美しさや質感を、日本、中国、西洋それぞれの美意識を取り入れながら表現しています。AIR 3331滞在中、スーザンさんは毎日スタジオに通い、5つの立体作品を完成させました。壁にかけられた作品は、布の柔らかさが生み出す曲線や影のレイヤーも重要な要素として展示されていました。
"AIR 3331 プロジェクトスペース"では、岩本町レジデンス で制作活動を行う作家とプロジェクトの紹介の場として実験的な展示会が行われました。岩本町レジデンスは秋葉原駅近く、アーツ千代田 3331から徒歩20分にあるAIR 3331の施設です。今回は3331館内3階にある313を会場にし、スイス出身のオーレリー・クリセティグさんとスペインに活動拠点を置くポーラ・メンチェンさん二人の作家による作品の展示になりました。
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オーレリーさんは彼女が撮影した47枚のポラロイド写真に刺繍を施し、それをアクリル板に挟んで、天井から吊るすことで、写真が空間に浮かんでいるように展示しました。写真の表面には東京の街並みと電線が写っており、電線に沿って黄色い刺繍糸が施されていてます。写真裏側をみると、黄色い刺繍はポラロイド写真裏側の黒い部分にも現れており、黄色が浮き上がって見える様子をオーレリーさんは「想像上の星座の地図」と表現しています。
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会場の壁面にはポーラさんのドローイングやコラージュが展示されました。和紙の持つ質感に興味を持ち、自らも和紙を漉いて作品を制作するポーラさん。展示作品の中には日本の伝統文様からインスピレーションを受けて制作したものもあり、日本人にはどこか馴染みのあるデザインが透明感のある鮮やかな色彩の中に表現されていました。
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3331 ART FAIR 2020は規模を縮小しての開催となりましたが、多くの方にご来場をいただき、各展示とも参加者全員の安全を最優先に配慮しながら終了することができました。フェア終了後、岩本町で予定していたオーレリーさんとポーラさんのオープンスタジオは、安全上の問題からやむをえず実施を断念することとなりましたが、アートフェア開催中に足を運んでいただいた来場者の皆様、地域の皆様のご協力に感謝を申しあげます。

スーザンさん、オーレリーさん、ポーラさんは、それぞれ無事に帰国され創作活動を継続しています。
近況報告からは精力的に制作に取り組んでいる様子が伺えます。

チェン・チン・リュー (スーザン) の最新のソフトスカルプチャー
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オーレリー・クリセティグ 《This belongs to everyone, so enjoy the view》
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ポーラさんの活動がクリエイターのための情報サイト「Curator Space」に紹介されました。
https://www.curatorspace.com/about/news/paula-menchen-natural-layers--raw-materials/90
ポーラ・メンチェン
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みなさんの今後ますますの活躍を3331 スタッフ一同応援しています。

AIR 3331 オープンコール 新規参加者募集中!
応募対象期間:2020年9月21日(月) 〜 2020年2月28日(月)
応募締切:2020年8月21日(金)※応募期間締切日を延長しました!
詳細はこちら:https://bit.ly/3a4d1AM

AIR 3331参加アーティスト紹介〜ヤンウー・キムさん密着!〜

APRIL 2, 2020 5:23 PM / CATEGORY:AIR3331

AIR 3331では現在、2020年9月からのAIR 3331 オープンコール レジデンスプログラムの参加者を募集しています。応募期間:2020年8月21日(金)

秋葉原駅近く、東京の中心に位置するAIR 3331は、文化やアート、さらには地域の人々とのふれあいを通して、作品制作やプロジェクトの可能性を広げることのできる場です!
今回は、2019年7月30日から9月23日の期間、AIR 3331のプログラムに参加した韓国人アーティスト、ヤンウー・キムさんの活動をご紹介します!

キムさんは8週間AIR 3331岩本町スタジオを拠点にし、リサーチ、作品制作、成果発表として展示会を開催しました。IMG_5673.JPG彼女は大都市における通勤距離と時間について彼女独自の視点で考察し、そこから作品を制作しています。過去にはソウル(韓国)、ジョホールバルー(マレーシアからシンガポール間の通勤)で、人が長い時間をかけて毎日通勤する様子を撮影してきましたが、今回のAIR 3331でのプロジェクトでは世界屈指の大都市である東京に通勤する人々に着目し、彼らの通勤する姿の撮影に挑みました。
キムさんは、郊外から東京に毎日通勤をする人の中から撮影に協力いただける方を募り、二人にボランティアとしてご協力いただきました。
撮影された映像はキムさんのAIR 3331成果展である『AIR 3331 ヤンウー・キム個展"Commuting lives:通勤暮らし"』で発表されました。
DSC_0012.JPG成果展はAIR 3331 岩本町スタジオ1Fで行われました。
岩本町スタジオは普段、アーティストの制作スタジオとして使用されています。キムさんの展示期間の3日間は彼女の作品の世界観を訪れた方々がより楽しめるよう、他の滞在アーティストと交渉しながら、展示会の空間作りをしました。IMG_8782.JPG
DSC_0035.JPG暗幕で覆われた会場には東京で撮影した映像の他、過去に撮影したソウル、ジョホールバルーでの映像も展示しました。これら3つの映像の配置を日替わりで変える事で、各都市の個性を、差異のないように表現しようという狙いが感じられました。DSC_0024.JPG また、このプロジェクトはボランティアお二人の通勤の様子を撮影するだけでなく、そこから派生した立体作品も生まれました。それはキムさんのアイデアを表現する上で重要な要素となっています。通勤する人の動きを地図上で表して、そこに現れたビジュアルを使って作られたボールペンは観る人の興味を引くとともに、プロジェクトのコンセプトを示すプロダクト作品としても興味深いものとなりました。DSC_0017.JPG IMG_9481.JPG キムさんは、文化、教育、仕事が集まる都市に多くの人々が集まり、各々が住む場所に帰って行く様子を可視化し、そこから生まれるものを考察しながら作品を制作していました。DSC_0049.JPG展示会のオープニングレセプションでは多くの方の来場があり、キムさんの東京での成果を熱心に鑑賞している様子が印象的でした。
DSC_0007.JPGAIR 3331では、今回の成果からさらに発展を続けるキムさんのプロジェクトをこれからも応援していきたいと思っています。

AIR 3331 オープンコール 新規参加者募集中!
応募対象期間:2020年9月21日(月) 〜 2020年2月28日(月)
応募締切:2020年8月21日(金)※応募期間締切日を延長しました!
詳細はこちら:https://bit.ly/3a4d1AM
AIR 3331スタッフ

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