3331では25日(日)より
『天下祭と山王さん〜江戸っ子は、山車に絵巻に、木遭り唄〜』を開催中です。
本展には、天下祭と呼ばれた江戸の一大イベント「山王祭」が
当時どのような賑わいを見せていたのかを標す
錦絵や絵巻も展示しています。
こちらは約15mにも及ぶ『山王祭礼之図 第一巻』。
行列を見物する気分でじーっと眺めていると......
こんなにリラックスした人たちの姿も!!
祭礼絵巻でこんな風に休憩している人を描いたものは
とても珍しいそうです。
こちらは絵師・歌川貞秀による錦絵『山王御祭礼之図』。
当時は建物も低いので、屋根から山車がニョキニョキ見えていたんですね。
見渡す限り、山車がずら〜〜〜っと並んでますね。
さすがは「天下祭」です。
写真がまだ存在していなかったその昔は、
人々の暮らしは浮世絵に描かれていました。
今となっては、当時の人がどのような暮らしをしていたのか、
どのような文化がそこにあったのかを伝える
貴重な資料ともなっています。
6月6日(金)のAFTでは、その浮世絵をちょっと楽しい方法で鑑賞するレクチャーを開催します。
講師は、「食」を通して美術作品を見つめるキュレーター・林綾野さん。
近著『浮世絵に見る 江戸の食卓』(美術出版社)には、
ツルリと水々しい白玉をすくう女性や、鱚(きす)の天ぷらを食べようと
する女性など、お腹が鳴ってしまうほど"おいしそうな"浮世絵が
集められています。
▲『浮世絵に見る 江戸の食卓』(美術出版社)より。涼しげな白玉が美しい歌川国芳《名酒揃 志ら玉》
▲(右)夏に旬をむかえる桃を雪で冷やすなんとも贅沢な様を描いた歌川国芳《逢身八懐 湯しま暮雪》(左)夢中でスイカを食べている女性。背景には紫陽花も。歌川国芳《五行之内 西瓜の女性》
こうやって見ると、食べ物を手にしているのは女性が多いですね......。
いつの時代も「デザートは別腹♡」と言うのは女性だったのでしょうか?
そんなことはさておき、あらためて「食」という視点で
浮世絵を鑑賞してみると、江戸の食文化の豊かさに驚くと同時に、
描かれたひとつひとつの食べ物が「どんな味だったのだろう?」と
想像力も掻き立てられます。
本レクチャーは、林さんと浮世絵に描かれた「食」との出会いから、
数々の浮世絵を例に当時の食文化を紐解いていきます。
これまで見過ごしてしまっていた作品のディテールが
あるテーマが強調されることで、次々と目にとまるようになり、
作品の背景までもイメージできるようになる。
この心地良い瞬間を、ぜひ多くの方に体験いただきたいと思います。
おいしい浮世絵を、心ゆくまでご賞味ください。
みなさまのお越しをお待ちしております。
ご予約はコチラまで!
(注:本レクチャーは、飲食を楽しんでいただくものではございません)
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『おいしい浮世絵鑑賞』
開催日:2014年6月6日(金)
時間:19:00〜21:00
開催場所:3331 Arts Chiyoda
参加費:2000円(学生1000円*学生証の提示が必要です)
講師:林綾野(キュレーター)
1975年横浜生まれ。
フリーのキュレーターとして展覧会の企画・制作、
アートライターとして美術書を執筆。
画家の芸術性に合わせてその人柄や生活環境、
食との関わりなどを研究。「パウル・クレー 線と色彩」
「ピカソとクレーの生きた時代」「英国植物画の世界」展などを
手がける。主な著書に『ゴッホ 旅とレシピ』
『フェルメールの食卓 暮らしとレシピ』『モネ 庭とレシピ』、
共編著書に『クレーの食卓』『ロートレックの食卓』(すべて講談社)
などがある。