3331ギャラリーでは、現在『ポコラート全国公募展vol.3受賞者展』が開催中です。今年の受賞者展は、受賞者6名を2名ずつ3回にわけてご紹介していきます。第1回目の2人展は、松本美千代さんと川戸由紀さん。今回のブログは、昨日15日(土)に行なった、2人によるアーティスト・トークのレポートです!
まずは、来場者投票1位の作品に贈られる「オーディエンス賞」を獲得した、川戸由紀さん(写真右)から。ポコラートスタッフ武田(左)が、川戸さんと社会福祉法人かれんの南さん(中央)に作品や制作についてお聞きしました。
川戸さんの受賞作は、テレビ番組の各場面を描いた計88枚の絵を時系列に配置した作品です。実際の映像を録画してはいるものの、実際に絵を描いている時には見ていないとのこと。記憶によってテロップの内容や照明の様子などを細かく描かれていることに驚かされました。
以前は描き終わったら満足で、人知れず作品を捨ててしまったり、古新聞に包んで人には見せなかったという川戸さん。「アートかれん」で制作した作品を毎回提出してもらうようになったことで、人に見せることが習慣になってきたとのことでした。周囲の人が作品を大切に扱うことが、ご本人の自信にもつながっていることが感じられました。
普段は恥ずかしがり屋だという川戸さんがマイクを持つと、まるで撮影会の様でした。となりは笑顔の松本美千代さん(左から2番目)。
次は「保坂健二朗賞」の松本美千代さん(写真左)。松本さんと社会福祉法人北光福祉会向陽園の石川さん(写真右)は、このトークのために北海道紋別郡遠軽から日帰りでいらして下さいました。
松本さんの絵のモチーフは人や動物や虫たち。蛇が大の苦手なのに、蛇を描くことが多いそうです。賞を贈った審査員の東京国立近代美術館主任研究員の保坂健二朗さんも駆けつけ、前々回の公募展のときから松本さんの描く生物や線の魅力に惹きつけられていたことを明かしました。
松本さんが制作している「アート活動支援室ぴかり」は自分の制作したいときに制作できる場所で、50名もの方が生活する向陽園では、良い息抜きの場になっているそうです。松本さんが受賞したことは向陽園の皆さんには驚きだったとのこと。松本さんは受賞後には制作に向かう時間が長くなり、非常に集中して描いているそうです。お送り頂いた近作は半数しか展示できないほどの作品数でした。
松本さんと川戸さんの展示は6月17日(月)まで。ぜひ足をお運び下さい!
なお、受賞者展第2弾は、6月21日(金)から。谷本光隆さん(中村政人賞)とラックスミ・ダス・マガイヤさん(ロジャー・マクドナルド賞)による2人展です。23日(日)14時からは、ラックスミさんのアーティストトークを行います。ネパールからトークのために来日されるラックスミさんのお話をお聞き逃し無く!
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「ポコラート全国公募展 vol.3 受賞者展」谷本光隆 × ラックスミ・ダス・マガイヤ
6月21日(金)〜7月7日(日)
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3331近田