3331の1FギャラリーBでは、『坂野充学個展 VISIBLE BREATH』を開催中です。
アーティストであり、3331設立当時からのスタッフでもある坂野充学は、
東京で仕事を続けながらも地元・石川県白山市鶴来でリサーチを続け、
4年の歳月をかけて本作『VISIBLE BREATH』を完成させました。
5面のスクリーンで構成される映像インスタレーションは、
ひとりの民俗学"研究者"の語りから始まります。
地元・鶴来でのリサーチを始めた坂野は、
自身も幼少の頃から参加していた「ほうらい祭り」の起源を
尋ねるために神社を訪れました。
そのとき出会ったのが民俗学"研究者"・村西博二さんです。
村西さんの口から鶴来がかつて鍛冶屋町であったこと、
鍛冶屋文化の起源が古代にまでさかのぼることを聞かされた坂野は、
見慣れた町の風景が一変するほどの衝撃を受けたと言います。
映像インスタレーションでは、村西博二さんの語りや伝承、
坂野自身のフィールドワークをもとに、古代から現代までの
5つの異なる時間軸でそれぞれの物語が展開されます。
じっと作品を見ていると
5つの時間軸はある瞬間に交錯したり、影響し合ったり
していることに気がつきます。
その瞬間、私たちが存在する"今"の中にも
同じように脈々とその痕跡が受け継がれていることを
再認識させられるのです。
ありふれた風景に思えていた自分の町にも
こうした物語が隠されているのかもしれないと思うと
急にその景色が愛おしく思えてきます。
ぜひ、多くの方にその体験をしていただきたいと思います。
坂野充学 個展 VISIBLE BREATH
3331 Arts Chiyoda 1F メインギャラリーB
日程:2012年10月14日(日)〜2012年11月04日(日)
時間:12:00-19:00
休み:火曜日
料金:無料