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【AFT講義レポート】「アートと空間の経済学/動くまちづくり 1」講師:清水義次

OCTOBER 13, 2010 6:40 PM / CATEGORY:AFT講義レポート

◇講義開催日:2010年9月10日(金)


明日から街を歩くのが楽しくなる!? 清水先生直伝、人間観察の極意

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空き物件を利用し、街全体をギャラリー化するイベントを2003年よりスタートさせた「CET(セントラル・イースト・トーキョー)」。その仕掛人がこの講義の講師、清水義次さんです。また、このARTS FIELD TOKYOがある旧練成中学校をリノベーションした「3331 Arts Chiyoda」のプロジェクトマネジメントも担当されました。
それまで誰も見向きもしなかった場所に小さなゆらぎを起こし、新しい付加価値を生み出していく清水さんの仕事。そこには、美術館やギャラリーを飛び出したアートに必要な要素がギュッと詰め込まれています。本講義では、自分たちが"ゆらぎ"を起こすために必要なことを学んでいきます。

まずは、アートが地域や社会と繋がり、それらを変えていくために大切なことを清水さんがレクチャー。

「まず必要なのは、地域資源を発掘、発見すること。アートという領域を踏み越えて、新たな関係性を持つためにはフィールドワークが必要不可欠なんです。完全な持ち込み型では地域資源を発掘、発見することはできないでしょう。次に、街の変化に敏感になること。変化は絶えず起きているものなんです。メディアで報道されたものを後追いするのではなく、いかに思考をフラットにして物事を見られるかが大切なんですよ」

実は清水さん、3331に来られたときも毎回社会風俗観察をしていたそうです。

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「例えば、この3331で人間観察をするだけでも社会風俗観察ができるんですよ。7月のイベントではなにかに集中して注目しようとする人が目立ったし、8月には"東京のなかでもこんな人たちが集まる場所があるの?"と新しい客層が見えはじめましたね。3331にはある種SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の一部が現実空間にあるという印象を受けました」


......なるほど。では、具体的にどうすれば街の変化に気づき、"ゆらぎ"のもととなるプロジェクトを生み出すことができるのでしょう?

<清水先生直伝、社会風俗観察の方法>

1 街を歩くときは、できるだけ違うコースを歩く
「毎日同じ風景を歩くというのは周囲を見ていないことと同じです。歩くコースを変えることで、情報が脳内に入ってきます。自分の頭を使わない限り、その土地のDNAを発見することなんてできないんですよ。ネットで得た情報でそれを得られることはまずありません」
2 観察するときは"ジベタリアン"になる
「昔いましたよね、ジベタリアン。あれは観察的に有利なんです。地べたに座ってじっと観察していると見えてくるものが違うんですよ。最初は恥ずかしいかもしれませんが、慣れてきます(笑)」
3 ファッションもさることながら、その街にいる人の顔も観察する
「歩き方、話し方、ご飯の食べ方など、その人の行動まで観察することで、何に関心を持っているかがわかってきます」
4 気になるお店を見つけたら、まずドアを開けてみること
「食べなくても買わなくても、空気を感じるだけならタダなんだから、どんなお店でどんなお客さんがいるのか自分の目で見て、感じないとね」

雑誌やテレビ、インターネットといったメディアから情報を受けることに慣れている私たちは、"自分の目で見て、感じて、分析する"という行為のトレーニングがまず必要なのです。
清水さんいわく、この社会風俗観察を2年続けると、おのずと"この街でこんなことをすればおもしろいのでは"という世の中を先読みする力がつくのだそう。

清水さんの講義を受けていると、すぐにでも街に出て社会風俗観察をはじめたくなりました。
次回の講義では、11月22日(月)より開催される「CET」にまつわる裏話も聞けるはず!
アートが街のコンテンツとなるためにはどのような"仕掛け"が必要なのか?
その場所に人を集めるためにはどのような"仕掛け"が必要なのか?
新しい"ゆらぎ"のつくり方をさまざまな方向から検証していきます。
お楽しみに!

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