開館記念展 第1弾 の記念すべきタイトル
「見るまえに跳べ」
勢いの良いタイトルですねと、好評をいただいてます。
大江健三郎の小説「見るまえに跳べ」の主人公は、
様々なプレッシャーのもと、
「跳ぼう」ともがき、戦い、苦しみます。
物語のラストシーン、
主人公は「結局はこれまで生きてきた21年間、
自分は一度も跳べなかったのだ」と考えます。
絶望と自失のもと、朝を迎えた主人公は、
ズボンをはき、上衣をつけ、扉をひらいて外へでます。
そこで小説は終わります。
しかし、主人公は本当に跳べなかったのでしょうか?
私には、主人公が扉をひらいたその瞬間が「跳ぶ」瞬間なのだと感じられました。
なにげない日常にある、
本人さえも意識しないでいるその瞬間が「跳ぶこと」なのではないでしょうか。
そこに沢山のヒントがあるような気がしています。
扉をひらいて、見るまえに跳べ!
3331 PR 友川綾子